1. はじめに

スキャン・エックスでは点群ファイルをアップロードする際に参照座標系(EPSGコード)を入力する必要があります。以下の図は、アップロード時の画面です。赤枠で示された範囲に、日本投影座標系のコードやEPSGコードを入力するボックスがあることがわかります。

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点群の持つEPSGコードを入力し、スキャン・エックスに点群がアップロードされると、その点群をベースマップ上で閲覧することができます。

以下の動画のように、地球上での点群の位置を確認することができます。本ページでは、このEPSGコードについて簡単に説明します。

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2. EPSGコードについて

測地系と座標系と呼ばれるものの組み合わせで、xyz座標を持つ点の地球上での位置を決定することができます。これらの組み合わせを決定するために、識別するためのコード(SRID: Spatial Reference Identifier)が存在します。スキャン・エックスにおいては、SRIDをEPSGコードと読みかえることができます。本章では、それぞれの内容について説明していきます。

2.1. 地球上での点の位置を表す

取得した点群をスキャン・エックスのベースマップ上で表示させるためには、その点群が地球上のどこに位置するかを表す必要があります。以下の図のように、地球上の位置は、経度や緯度、高さのなどの情報を用いて表すことができます。以下の図では、きれいな楕円体の中での、位置を求めていますが、実際は、場所によって高低差があったり、複雑な地形をしていたり、単純に楕円体で地球を表すことは簡単ではありません。

そこで、シンプルかつ、地球の形状をうまく表現する楕円体を用意し、その3次元的な情報を2次元の平面に投影することを考えます。2次元上で位置を表現できるため、より簡便になります。投影によって歪みが生じますが、ほとんどの場合、実用上問題はありません。このように地球上での点群の位置を表すためにはいくつか方法があり、どのような方法をもとに表しているかを示す番号(のちに説明するEPSGコードに相当)があると便利です。地球上での位置を表す方法について、測地系と座標系に分けて説明します。

画像出展:国土地理院 日本の測地系より

画像出展:国土地理院 日本の測地系より

2.2. 測地系

測地系とは

などを定義するための基準です。これにより、地図を作成する時や、測量時において、共通して地球上の位置を表現することができます。これにより、スキャン・エックスでも、ありとあらゆる場所の点群を正しくベースマップ上で閲覧することができます。

測地系の中でも、世界測地系や局所測地系などが存在します。世界測地系は、国際的に定められた測地系です。一方、局所測地系は、その地域の近傍に対して適用できる測地系です。